クリエイティヴマインドの心理学・2


やはりとくに意味のないガール


前回の続きです。前回の記事はこちら
この本の備忘録と感想です

クリエイティヴマインドの心理学
ジェフ・クラブトゥリー&ジュリー・クラブトゥリー 著

前回は
恐れと不安・存在不安・拒絶・都合の良い解釈 の4つが
スランプに導いていくとありました。

ではそれらに耐えるためには何が必要なのか。
著者は長年成功し続ける世界のアーティストたちの証言や、
研究結果でこの3つだと提示しています。
それは

・レジリエンスをつける
・コミュニティ
・スピリチュアリティ

ここから長いので小分けにします。
まず今回はレジリエンス について。


レジリエンスとは、厳しい環境に置かれたときの
心身の対応能力や回復力のこと。
私は耐性をつける自己管理、みたいな意味にとりました。
技術の習得と同等の重要性があると説いています。
確かにみんな技術の研鑽には一生懸命で
教えてくれる媒体もたくさんありますが、こちらは誰も教えてくれません。

「レジリエンスをつける」、それはどういうことか。
身体的なことと、感情的なことに分けています。

まず身体的なことから。それは
運動、休息、栄養管理などのセルフケアの習慣。
役者やダンサーは当たり前に気遣っていることでありますが、
そうでは無いアーティストは非常におろそかにしがちなところです。
徹夜したり毎食ラーメンだけとかだったりね!!
運動といえば最近筋トレが流行っていますが、考えがクリアになるなど
メンタル面での良い効果もよく聞きますよね。

また自分の創作の波を知ること。そして完全にオフの日を挟んだり、
没頭しすぎないようにするということです。
生活のために畑の違う職種につきながらも創作している人も、
あまりにハードな仕事に就くと創作意欲を吸い取られてしまいます。
お互いの強度が増すようなバランスが不可欠だと言っています。そりゃそうだ。
学生時代に創作活動していたけれど、
就職したら忙しくて創作をやめてしまったとかもあるあるですよね…。
しかし働かなければご飯が食べれない…生きてくの難しい…!

そして自分の創作、作業空間を整理すること。
それは説明するまでもないことです…
本当に当たり前のことだけなんですが、おろそかにしがちなんですよねー
特に生活面は…

話が飛びますが、NHKのプロフェッショナルで
脚本家の坂元裕二さんが出演されたときにおっしゃっていたことなんですが、
「才能とかはあてにならない。ひらめきもあてにならない。
自分は脚本家だから飲んでいたり
パソコンに向き合ってなきゃいけないと思っていたけれど、
人に刺さる作品を本当に描かせてくれるのは、
その人が生活している中で出てくる美意識とか、
自分が世界に向き合って触れ合っていないとうまれない」
おっしゃっていたのが非常に心に刺さったんです。
公式の予告動画でもそこ抜粋されてますね
たしかにそこが坂元さんの重点のように見えました。
アーティストであるから特殊な生活をしているわけでもなく、
普通に1人の人間として当たり前の生活していることが創作になること、
それを大事にされていました。
ここを読んだときそれを思い出しました。
まともに生きることを大事にしたいです…。


そして感情的なレジリエンスについて。
これは前回でも書きましたスランプの原因とされる
恐れと不安、存在不安、拒絶、そしてスキンレス(後述)への
対処についてです。

・恐れと不安への対処
1:恐怖のとの接触は段階的に
音楽講師である著者の実体験として、
人前に立つ不安を持つ歌手の生徒のために
小さな舞台を始めに行い、徐々に大きな舞台へ慣れさせる指導を
行っていることが書かれています。
まるでトラウマの治療みたいだと思いましたが、
実際トラウマみたいなものですよね…。
いきなり難易度の高いことをするのではなく、
ハードルの低いことから段階的にやって、経験と自信を積もうということです。
焦るばかりに、大きなことしなければと思ってしまうのですが、
急がば回れで、できることからやっていかなければ
きっと足場から崩れてしまうでしょう…私のようにね…!!ウッ…

2:肯定的な文化に身を置く
これは批評されない環境での体験が、批評家たちにさらされたときに
精神の緩和剤になるだろうということです。
たとえば仲間内で行う小さな舞台には失敗よりも楽しさがあり、
「公演は楽しいものであり、失敗を恐れるものではない」という経験が
生まれます。
そしてアーティストの仲間同士なら共通してわかりあえることがあります。
批評家たちの否定的な視線にも、共通の価値観がある仲間同士ならば
その視点から助けてくれるだろうと。これはわかりますね…。

・存在不安への対処
作品=自分ではない
前回も書きましたが、作品への評価が自分への評価ではないこと。
作品の上に自分のアイデンティティを載せないこと。その考えを捨てること。
それだけで存在不安と拒絶への対処が楽になるといいます。
これ…すべての芸術系の学校で教えてほしいです…。
スポーツや外科医でも同じと著者は言います。
とても大事なことだと思います。
しかし作品・パフォーマンスの評価=自分の価値である、の錯覚は
本当に根深くて、なかなか一朝一夕で変えられるものではないです…。
個人的には若いころから徹底して植え付けておきたかった考えです。

アニメーション会社ピクサーの創作の内側を書いた本、
「ピクサー流 想像するちから」(むちゃくちゃ良い本です)でもあったのですが
ピクサーではストーリーの制作の会議において、
アイデアと発言者は別物である、という考えを徹底しているとありました。
発言したアイデアに批判されるとムッとしたり、
ましてその人が偉い人だったら…
想像するだけで、偏った会議になるのがわかります…。
クオリティの高いものを作るために、そういったことが無いように
その考えを徹底しているとのことでした。
(そういう人は会議から排除されるんですってよーピクサーさすが)
「作品=自分」の考えを捨てることで、評価への気持ちの浮き沈みだけでなく
意見をクリアな頭でフィードバックとして受け取れるようになれるメリットが
あるよなと思いました。
しかし繰り返しますが、その域に達するまでの心の訓練は…大変…よね…

・スキンレスへの対処
防護服を着よ
この本では「感受性が強く、感情の痛みを受けやすい存在」であることを
スキンレスネスといい、アーティストはスキンレスであると定義しています。
皮膚一枚を失った状態で物事を肌身に感じている、という意味だそうです。
ただ、これらは疲れやすいし、メンタルも波にぐらぐらになる…
そういうときは防護服を着ましょう、ということ。(もちろん比喩)
・生活の基本を大事にすること(さっきもありましたな)
・笑わせてくれるものを探すこと
・刺激するものから離れてひきこもること
(これは個人的経験からもオススメできる…
一時的にSNSから離れるのおすすめ…)
…などなど自分に合う服を探しましょうと。
でも、その素質が創作たらしめるので、それを忘れないでねとのことでした。

・拒絶への対処
正しい肯定
親しい人やプロといった、十分に信頼できる人からの
肯定的なフィードバックを受けること。たしかにこれは強力だ…
これは拒絶だけでなく恐れや存在不安といったものにも
すべて撃退できることだそう。わ、わかる~~~~
たしかに、ありがたい感想とか頂くのが一番の発火材ですよね。
「よかったよ、の一言で、続き書こう!とか思うよね~」とか
絵描き仲間でもよく話されることです。
そして信頼できる人っていうのが大事だなあと思います。
信頼できる人ならば、良いことも悪いことも
きっと真実を言ってくれていますもんね…



ああまた長い…!まだ続きます。
次の「コミュニティ」の部分は内容的に省略するかとおもいます。

続きはまた後日